信州建築構造協会9月例会公開講演会のご案内
| 主催 | 信州建築構造協会 |
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| 開催日 | 2025/09/19 |
| 講演内容 |
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会場 | ホテルモンターニュ松本 長野県松本市巾上3-2 TEL:0263-35-6480 |
セミナーレポート

挨拶する大日方会長
2025年9月例会を松本市で開催
信州建築構造協会(大日方貞夫会長)は9月19日、9月例会を松本市内で開いた。講演会では、信州大学名の大塚勉名誉教授が「信州の生活の場は活断層が作った」、大和ハウス工業の北沢宏武氏が「構造設計におけるデジタル技術活用事例の紹介」をテーマに登壇した。
冒頭あいさつで、大日方会長は「今回はなかなか聞ける機会のない講演テーマ。今日聞いた話を皆さんの仕事に生かしていただければ」と話した。
大塚勉名誉教授は、地質学の視点から、長野県の盆地形成、地震・災害のメカニズム、そして地域が受ける恩恵までを多面的に説明。活断層を要因とした近年の主な内陸地震について、2004年の中越地震や、2011年の長野県北部地震、2014年の神城断層地震などを例に挙げ、その発生メカニズムを解説した。

講演する大塚名誉教授
一方、活断層が作った環境が地域に恩恵をもたらしたものとして、安曇野や松本地域の地下水資源、諏訪地域の温泉資源を紹介した。

大塚名誉教授の講演
大和ハウス工業の北沢宏武氏は、BIMの歴史や役割を述べ、「ただデータ化しモデル化するだけではなく、活用しなければBIMではない。どんな形であれ活用してみることがBIMの最低条件になる」と指摘。国が活用を推進しており、BIMの図面審査やデータ審査の導入に向けた検討が進んでいるとした。

講演する大和ハウス工業北沢氏
同社が目指すものとして「一気通貫型BIMと統合データベース」を紹介した。企画から設計、情報加工製造、施工管理、メンテナンス・リフォームまでを、BIMを通じてデータ連携を行いながら、データベースに情報をためて一元管理するもの。その情報を活用し、統率が大変な大型案件で齟齬なく連絡できるデータベースをつくるため、BIMを活用していると話した。
構造設計における活用事例では、構造図表現や部門間連携、サプライチェーン連携、環境配慮へのデジタル技術活用、構造設計における最適化運用システム―を挙げ、特長や効果などを解説した。

大和ハウス工業北沢氏

