信州建築構造協会7月例会公開講演会のご案内
主催 | 信州建築構造協会 |
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開催日 | 2025/07/18 |
講演内容 |
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会場 | 長野市 ホテル国際21 長野県長野市県町576 TEL:026-234-1111 |
セミナーレポート
講演する諏訪田教授
RC造の損傷制御設計法を説明
信州建築構造協会の7月例会
信州建築構造協会(大日方貞夫会長)は7月18日、長野市内で7月例会を開催。講演会では、信州大学工学部建築学科の諏訪田晴彦教授が「袖壁・腰壁・垂れ壁を活用したRC造建築物の損傷制御設計法」をテーマに登壇し、旭化成建材(東京都千代田区)が製品紹介を行った。
諏訪田教授は、壁活用型の損傷制御設計について、「袖壁、腰壁、垂れ壁を活用することで大地震時の応答変形を低減させ、損傷を制御する」と説明。国による実証実験の内容や設計ガイドラインの概要に触れ、RC造建築物が免振や制振などを使用せずとも、機能継続に必要な構造躯体の性能を確保できることを紹介した。
同設計の開発が進んだ背景として、諏訪田教授は、「2011年の東北地方太平洋沖地震で震度6以上を観測した8県の352市町村のうち、237市町村の庁舎が被災した」と述べ、「官庁施設の基準(建築構造設計)では、機能継続を図るための目標が設定されているものの、具体的な方法が明確ではなかった」と話した。この課題に対応するため、国による災害拠点建築物の機能継続技術の開発がなされ、「壁活用型の損傷制御設計方法の実験や検討が進められた」とした。

諏訪田教授の講演
旭化成建材は、「J-DAIA工法」をPR。同工法は、杭と柱を直接つなぐことで鉄筋コンクリート工事をなくし、配筋・型枠・生コン打設が不要となることが特長。同社は、在来工法に比べ、工程や工種が大幅に削減することが可能とした。採用事例では、駅舎上屋、ハウスインハウス、工場の階段基礎、キャノピー基礎で活用されたことを紹介した。

旭化成の製品紹介