信州建築構造協会

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4階建て木造ラーメン造の構造計算書の講習会

主催 信州建築構造協会
開催日 2020/09/26
講演内容
4階建て木造ラーメン造の構造計算に関する講習会
山辺豊彦氏(山辺構造設計事務所)
会場

JA長野県ビル

セミナーレポート

◎ 4階建て木造ラーメン造の構造計算で講習会開催 ◎
○ 山辺豊彦氏の構造計算書が完成 ○

 9月26日と10月10日の2日間の日程で、4階建て木造ラーメン造の構造計算に関する講習会を長野市内で開催しました。昨年、構造計算書と構造図の作成をお願いしていた山辺豊彦氏(山辺構造設計事務所)に登壇いただいて、その成果品をもとに解説いただきました。

 構造計算書を作成した建物は建築面積190.46㎡、延べ761.84㎡の木造4階建て木造事務所で、X・Y両方向の柱梁接合部をモーメント抵抗可能な接合とした木質ラーメン架構にし、柱材は同一等級構成集成材(カラマツ材)、大梁と小梁は対称異等級構成集成材を使用。柱梁接合部の金物は京都大学の小松幸平名誉教授が開発したラグスクリューボルトによる工法が採用されたものです。また、床面と陸屋根の水平構面は水平剛性が大きなCLTパネルを用いて剛床が確保されています。

 山辺氏は「4階建ての建築物は現在ほとんど鉄骨造。国が中大規模の木質化を進めているが、集成材は鋼材に比べてヤング係数が20分の1と低く変形性能に劣る。だが、知恵を絞って木材利用の幅を広げ、この分野で信州の構造設計者にぜひ活躍してほしい」と期待を込め、参加者に呼びかけていました。

 田村会長は「戦後植林された木材の伐採期が来て、今後、中大規模木造建築の設計需要が必ず増える。その時に地方の設計事務所でも対応できるよう具体的な構造計算書をもとに勉強したい」(田村会長)として昨年、構造計算書と構造図の作成を同氏に依頼。このほど出来上がったことから講習会の開催に至ったもの。
 一日目で構造計算書の全体を概観。二日目は、柱梁接合部や柱脚接合部などを中心に演習問題を解いたり、山辺氏が過去に手掛けた岡山県内の地域交流施設の事例について話しを聞き、中大規模建築物の木質化について理解を深めました。

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