信州建築構造協会

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信州建築構造協会9月例会

実大試験による木造耐力壁の評価法について

平成27年6月1日の建築基準法の改正により木構造設計の自由度が広がり、中大規模の木造建築物が今後、多数設計されるものと思われます。
木造建築物を設計する場合には、柱梁接合部に難があるため純ラーメン構造とするには問題があり、木造建築物は耐力壁構造か、ラーメン架構と木造耐力壁の組み合わせによる構造形式が一般的な設計であると考えられます。

中大規模の木造建築物において、建築基準法施工施行令に定められた壁量では耐力壁の耐力が小さいため、多くの耐力壁が必要となり平面計画の自由度を奪う可能性があります。平面計画の自由度を広げるためには、耐力の大きな耐力壁を用いることになります。

「木造軸組工法住宅の許容応力度設計2008年版」に、建築基準法施工施行令に定められた壁量以外の耐力壁の許容せん断耐力を算定するための試験方法が記載されて定められています。今回、信州大学建築学科のご厚意によりその実大試験用の耐力壁の試験体を提供していただいて、実際にその試験方法と耐力算定方法を学び、今後の設計に活かすことを目的としています。

主催 信州建築構造協会
共催 JSCA長野
後援 一般社団法人 長野県建築士事務所協会
開催日 2015/09/15
時間 PM 2:00〜5:00
参加費 実験費用代及び資料代 2000円 ※ヘルメットを持参してください。
講演内容
実大試験による木造耐力壁の評価法
京都大学教授 五十田博氏
信州大学助教 松田昌洋氏
会場

長野県林業総合センター

塩尻市大字片丘5739
TEL:0263-52-0600

参加申込

一般の方で参加を希望される方は、こちらの申込用紙にご記入の上FAXにてお申込ください。

お申込用紙はこちら

お問い合わせ

信州建築構造協会事務局
〒399-0033 松本市笹賀7804
担当:浜
info[at]asbs.cc
※迷惑メール回避のため、[at]を@に書換えて送信してください。

セミナーレポート

写真=実大実験で変形する耐力壁の様子を見る参加者

9月公開講座
◎耐力壁の性能測定「実大実験」○
○中大規模木造に備える○

 9月の公開講座では、中大規模木造建築物の構造設計に対するスキルを高めようと、塩尻市の県林業総合センターで耐力壁の性能を測定する実大実験を含む研修を行いました。
 木構造に詳しい京都大学の五十田博教授が講師を務め、木造の構造設計のポイントや耐力壁の評価法などについて説明。五十田教授は、木造の構造の設計ルートとして壁量計算と許容応力度計算を挙げ、壁量計算で担保される性能を示しながら、許容応力度計算との違いについて話し、接合部の設計や評価についても詳しく解説されました。
 実大実験は信州大学の協力を得て実施。柱、梁、筋交い、石膏ボードで形成した耐力壁の鉛直構面、水平構面それぞれの剛性と許容せん断力を算定するための試験(柱脚固定式)を行いました。参加者は、五十田教授の解説を聞きながら、筋交いが座屈したり接合部が変形する様子を間近で確認しました。
 当協会では今年に入り、木造の構造設計についての研修を集中的に行っています。国産材の活用促進や建築基準法の改正を受け、今後県内でも広がっていくと見られる中大規模の木造建築に備える考えからです。新井会長も「木造で大きな空間を確保するためには高度な構造設計のスキルが必要になる。会員のレベルを引き上げながら、高度化するニーズに応えていきたい」と、当日語っていました。

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